爆発物探知認定規定
警備犬協会は毎年爆発物探知犬の認定試験を行っております。今年も認定試験の時期が近づいてまいりました。下記の様な規定に基づき審査をしております。
『爆発物探知犬認定試験規定要項 (一般社団法人日本警備犬協会)
《主旨》
このテストは、爆発物探知の場において、ハンドラーと犬が、確かな技量と信頼性を供えている事を認定するものである。
《受験資格》
・法執行機関にて爆発物探知犬のハンドラー及び爆発物探知犬育成を行なっている。(その旨を証明する書類を提出の事)
・民間警備会社で爆発物探知犬のハンドラー、爆発物探知犬育成を行なっている。(その旨を証明する書類を提出の事)
・日本警備犬協会の会員である。(この場合は専門の育成プログラムを修了している事)
《最低限下記の匂いを習得している事》
HMTD
TATP
硝酸アンモニウム
ブラックパウダー
スモークレスパウダー
塩素酸カリウム
ダイナマイト
ニトロ系
TNT
RDX
※警備犬協会員は現場実働迄には上記含む20種類の爆薬の匂いを習得。
《捜索環境》
屋内捜索
車両捜索
屋外捜索
手荷物捜索
《特殊捜索(任務により)》
飛行機
船舶
鉄道
貨物
《使用原臭》
現場での有効性が確認されている海外の複数メーカーを使用
《合否基準》
設置されているターゲット臭(爆薬臭)のうち2つ以上逃した場合、2回以上の誤アラートが確認された場合は不合格とする。
ただし、他のエリアは全て発見し1つのエリアだけ発見に至らなかった場合は一度だけ一箇所のエリアだけ再試験が可能である。
下記の場合は不合格です。
・2個ターゲット臭を逃す。
・2回誤アラートが出る。
・2箇所のエリアでそれぞれ1個ターゲットを逃す。
・2箇所のエリアでそれぞれ1回誤アラートをする。
例)手荷物エリアで1回のミスがあったとする。
それ以外の屋外、屋内エリアはミスなく全て完璧だった場合、ハンドラーは手荷物エリアの再試験を審査員に申請する権利がある。手荷物エリアの再試験でもエラーになった場合は認定試験は不合格となる。
《エラーの定義》
チームエラー
a.犬がターゲット臭を逃す
b.犬がターゲット臭に対して反応を示してもハンドラーが犬の行動を認識出来ず「発見」の意思を審査員に申告しない。
誤アラート
a.ターゲット臭の無い場所で犬がアラートをする。
b.ハンドラーがターゲット臭の無い場所で審査員に「発見」の告知をする。
c.セントプール上でもターゲット臭からあまりに遠すぎる場所でのアラート。
d.攻撃的なアラート(ターゲット臭に対して吠える、スクラッチ、隠している場所を鼻で突いたり、触れる、リソースガード等の行為(原臭を守ろうとする行為))
e.ターゲット臭の無い場所で座ったり伏せたりのアラートや、確かめる為にハンドラーの方を何度も見るという行為を頻繁に繰り返す行為
《認定有効期限》
認定試験はハンドラーと犬のチームに与えられ、2年を有効とするが、1年に1度は実働レベルをキープを目的とした実技チェック、研修を受講する。
《注意事項》
安全管理上の理由として下記の様な場合は試験を中止とする場合があります。
・気象の影響で参加者、関係者の安全が確保されない場合。
・上記「エラーの定義の誤アラート項目dにあたる攻撃的アラート」が出た場合
・火災等、事故、不測の事態が起きた時
※原臭付近は火気厳禁、又は安全性が保たれた原臭を使用します。
原臭規定
・試験に使われる原臭の大きさは、現場で実際にあり得る一般的なサイズ、最小100g〜最大は制限無しの原臭の大きさを使用します。
・試験中、全ての原臭は犬が直接触れられない場所に隠してあります。
設置時間
・試験が始まる30分前には全ての原臭を設置します。
・試験開始前に捜索エリアの説明をします。
・捜索中に犬が意欲を欠き、捜索を楽しめない様子を見せ捜索を継続するのに難しいと審査員が判断した場合は捜索を一度中断する可能性もあります。
・ハンドラーは各エリアを充分に探し「クリア」と判断したら次のエリアに移っても構いません。
・ハンドラーは試験中必要であれば、犬を休ませたり、水を飲ませたり犬をリフレッシュさせる為に休憩を申告する事が出来ます。(但し捜索時間は延長されません。)
・ハンドラーは犬が反応したら「発見しました」と審査員に必ず申告して下さい。
《ビルサーチ(屋内捜索)》
試験運営チームは、各捜索で下記の条件を満たした、試験会場に相応しい場所、道具をセレクトしなくてはならない。
・最低でも5エリア以上ありそれぞれ区切られた空間。
・各エリア47㎡〜140㎡の広さである事。
・1もしくは2エリアはネガティブ(ターゲット臭が設置されていない)エリアを設ける。その際、どのエリアがネガティブエリアかはハンドラーには事前に知らされない。
・エリアによっては、高所設定、1.8〜地面までの通常設定が含まれる。
・ターゲット臭はそれぞれエリアの広さによって充分な間隔を取り設置される。
《車輌捜索(ヴィークルサーチ)》
・車輌の数 5台〜10台
・車輌の移動が無く安定して受験者が同数の捜索ができる場所。
・各車輌の間はK9チームが充分に移動できるスペースを取る事。
・車輌内、外どちらにターゲット臭を設置しても構わないが、1つの車輌に2つ以上のターゲット臭を設置してはならない。
・ターゲット臭が設置されていないネガティブ車輌は事前にハンドラーに知らされない。
《エクステリアサーチ(屋外捜索)》
屋外フィールド、運動場
山野、森林
広大な敷地
・広さ 93㎡〜300㎡
・ターゲット臭は地面に埋める場合は深さ30センチ以内、高さは地面から1.8メートル以内が望ましい。